読書記録: マーケット感覚を身につけよう

 ちきりん三部作の二部目。

 

総合評価:★★★★★

本書のまとめ

マーケット感覚とは「商品やサービスが売買されている現場のリアルな状況を創造できる能力」
市場で売られているものは「価値」
市場が統合されたとき、ゲームのルールがどう変わったのかを見極める
やみくもに頑張る前に、市場の選択
  • マーケット感覚を鍛える5つの方法
①プライシング能力を身につける
 他者の判断基準の価値ではなく、自分の価値基準を持つ
 このサービスを最も高く評価するのはどういう人たちか
 誰に向けて売れば、価格は一番高くできるのか
 
例)一物多価 クーポンなどで顧客の価値基準に応じて、同じ商品を異なる価格で販売
 
②インセンティブシステムを理解する
 自分の欲望に素直になる
規則や罰則で問題を解決しようとせず、インセンティブを利用する
 
③市場に評価される方法を学ぶ
「組織内で選ばれたものを完璧に作り込んで市場に問う」方式から「有望な案はすべて市場に問い、市場からの評価によって残すものを決めていく」方式への移行が進んでいる
 
④失敗と成功の関係を理解する
「組織から学ぶ」「市場から学ぶ」方法がある。
後者が重要。 やってみて失敗し、その失敗や経験から学ぶ
⑤市場性の高い環境に身を置く
いつ、どこでマーケット感覚を学ぶべきか
キャリア形成の段階から計画的に考える
 

感想

一貫してマーケット感覚の重要性とその身に付け方を繰り返し述べているに過ぎないが、ちきりん氏の十八番である社会問題を題材とした多彩な例によって興味深く読める。

大企業に入ったから安心という時代は終わったという意見は、まだ身を持って実感はできていないが、おそらく正しいのだろう。マーケット感覚≒市場で何が価値を持つかを見極める能力を養っていかなければならない。そのため、あと半年間の学生のうちにやることをリストアップして実行したいと思う。

 

ちなみに 『チーズはどこへ消えた?』が、変化に対応することの重要性を抽象的に説いた本でああるのに対して、本書はマーケット感覚という点から変化の重要性が具体的に説明されているので、本書の方が私は好きである。

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